超人育成訓練? 並みの人間では生き残れない陸上自衛隊のレンジャー訓練とは?

V(-¥-)V ごとう さとき


日本の自衛隊は“張子の虎”か?

日本は憲法によって、基本的に外国との交戦を禁じられているのですが、どう見ても軍隊にしか見えない「自衛隊」という組織があります。実際に自衛隊が敵国と交戦するには、様々なハードルがありますので、自衛隊は“張子の虎”などと言われたりするわけです。

 

しかしリアル自衛隊が、本当に格好だけで戦えない連中の集まりかといえば、そうでもありません。自衛隊員は日夜有事を想定した過酷な訓練を積んでおり、仮に有事が勃発した場合、ちゃんと使い物になる組織なのです。幸いなことに自衛隊設立以来、自衛隊員が日々繰り返している訓練の成果が、ホントに役に立ったという場面は、災害救助だけだといえます。


Demonstrations of Hand-to-hand combat, The Memorial Ceremony of the 3rd division and Camp Senzo (rehearsal)
Demonstrations of Hand-to-hand combat, The Memorial Ceremony of the 3rd division and Camp Senzo (rehearsal) / lasta29
陸上自衛隊の中の精鋭!「レンジャー」とは?

そんな自衛隊は、

 

・陸上自衛隊

 

・海上自衛隊

 

・航空自衛隊

 

という3つの部隊に分かれていますが、その規模と役割で自衛隊の中核を担っているのは、主に陸上での行動で日本の安全を守る「陸上自衛隊」でしょう。

 

陸上自衛隊といえば、近年やたら発生している地震や台風などの自然災害で、被災地の普及活動で活躍している姿がよく見られます。瓦礫の山やぬかるんだ土砂の中へ分け入り、被災者を救出する自衛隊員の驚くべき体力は、日ごろの訓練の賜物です。

 

そんなわけで陸上自衛隊員の基礎体力は、一般人と比べたれば相当高いのですが、そんな陸上自衛隊の中でもさらに「精鋭」と言われるのが、

 

“レンジャー(Ranger)”

 

と言われる隊員になります。

 

レンジャーというのは一種の資格のようなモノで、具体的には

 

「レンジャー課程の訓練を修了した者」

 

を指していうわけです。


Ranger combat mission
Ranger combat mission / The U.S. Army
レンジャーは陸上自衛隊員なら誰でもなれるわけではない!

レンジャー課程を修了した陸上自衛隊員は、「レンジャー徽章」と言われるバッジがもらえます。徽章の意匠はダイヤモンドを包むように月桂樹の葉があしらわれており、月桂樹は「勝利」を、そしてダイヤモンドは「堅固な意思」を表しているそうです。このレンジャー徽章は、陸上自衛隊に入隊した者であれば、レンジャー徽章を胸につけてみたいと、誰しが思う憧れのバッジだといえるでしょう。



ただレンジャー徽章は、そう簡単には手に入れられません。レンジャーになるのは、まずレンジャー課程の訓練を受ける必要があります。レンジャー課程の訓練は、基本的に志願制となっていますが、訓練を受けるには一定以上の体力が要求されます。

 

訓練資格レベルで体力は常人を超えていてる?レンジャー訓練に参加するには?

具体的には、

 

年齢:36歳以下

 

身長:150cm以上

 

色覚:正常なもの

 

視力:(1)裸眼視力0.6以上、又は裸眼視力0.2以上で、矯正視力1.0以上のもの (2)夜間視力が正常で眼科疾患等のないもの

 

血圧:最高血圧140以下~100以上、最低血圧89以下~60以上

 

心電図:正常なもの

 

・・・と、この辺りは陸上自衛隊そのものに入隊する資格レベルです。しかしレンジャーになるために要求される体力は、

 

背筋力:150kg以上

 

握力:左右とも40kg以上

 

肺活量:3200cc以上

 

300m疾走(60m折返し)を60秒以内

 

手榴弾投てき:30m以上

 

土のう(50kg)運搬50m走:土のうを担いだ状態からスタートして14秒以内

 

2000m持久走(小銃執銃を携帯したまま):930秒以内

 

といったモノになります。ほかにも懸垂や腕立て伏せなどの回数が、一定以上の数をこなせないと(実際に何回がクリア条件かは不明)、いくらレンジャーに志願しても、訓練すら受けさせてもらえません。レンジャーはその訓練を受けさせてもらえるだけでも、陸上自衛隊の中でも“バケモノ級”の体力の持ち主なのです。


筋肉魔神の隊員でも根をあげる!地獄のレンジャー訓練とは?!

そんな筋肉の怪物のような体力自慢の陸上自衛隊員でも、訓練中に10%以上が脱落するのが“レンジャー訓練”です。レンジャー訓練は、毎年5月くらいに約3ヶ月の期間で実施されています。訓練は前半と後半に分かれており前半は体力訓練、後半は実戦訓練となっているわけです。

 

前半の体力訓練は、普段自分の所属している部隊でしている訓練が、食後の軽い運動のように思えるほどハードな訓練になります。特に小銃を両手で持ち上げながら長距離走をす

 

る「ハイポート」と呼ばれる訓練は、体力自慢の陸上自衛官でも相当キツイと言われています。


Demonstration Battles, The Memorial Ceremony of the 3rd division and Camp Senzo (rehearsal)
Demonstration Battles, The Memorial Ceremony of the 3rd division and Camp Senzo (rehearsal) / lasta29


そして後半は実践訓練です。基本的に自衛隊は部隊行動によってミッションを成功させるように訓練しますが、レンジャーは部隊というチームより、個人の戦闘能力を高めることに主眼をおいた訓練がメインになっています。格闘術はもちろんのこと、敵にひとり潜入した場合の行動方法など様々な個人技を学ぶわけです。そしてレンジャーの訓練に関して数々の都市伝説を生んだ“サバイバル訓練”もレンジャー訓練の後半に組み込まれています。


生きたカエルやヘビを調理して食う? レンジャー訓練の都市伝説は本当か?

「レンジャーの訓練には、サバイバル術の一環として、生きたカエルやヘビを捕まえて食べるらしい・・・」

 

という都市伝説が囁かれています。この都市伝説半分正解で、半分間違っています。

 

確かにレンジャー訓練の後半には、サバイバル術という訓練がカリキュラムに含まれていますが、野生のカエルやヘビを捕まえる訓練はないようです。サバイバル術は野生生物で

 

も捕獲して食べることが出来るように、生きたカエルやヘビを捌いて調理します(もちろんそれを食べる)。この時使うのは、訓練用にあらかじめ捕獲、または養殖したカエルやヘビです。


Soldiers learn survival skills during Keris Strike 2012
Soldiers learn survival skills during Keris Strike 2012 / Georgia National Guard


まぁ、レンジャー訓練に参加する自衛官は毎年2030名いますので、調理するために各隊員が野生のカエルやヘビを捕獲しようとしても、全員が捕まえられる保証はありません。いざとなったら、カエルでもヘビでも自分でみつけ、調理して食えるということを教えるのが訓練の目的ですので、野生生物を捕獲するのと、調理して食べるのは別の訓練として行われているというわけです。

 

ちなみに訓練の後半には、不眠不休で山道を何日も移動する訓練もあり、この間に供給される食料はほとんどないため、サバイバル訓練の内容と一緒なり、上記のレンジャー訓練は山の中で野生生物を捕獲して食う…という都市伝説が生まれたのではないかと思われます。


訓練中に死者も出る!レンジャーは自衛隊員のエリート!

レンジャー課程の訓練は、TVのバラエティではありません。訓練中に体力が続かなくなり倒れて脱落する自衛官も毎年必ず数人出ます。また過酷な環境に追い込まれてパニック障害を起こす者もいるそうです。さらには山中移動の訓練中に、事故でホントに死んでしまった自衛官も過去には実在します。

 

そんな常人ではとても耐えられないような厳しい訓練をくぐりぬけて、ようやくレンジャー課程は修了し、合格した者だけが“レンジャー徽章”が貰えるわけです。レンジャーとなれた者はそれ自体誇りになりますし、その自信を活かして、さらに特殊部隊など国防の重要な部隊に配属されていきます。

 

そんな屈強の猛者が多数存在する日本の自衛隊は、決して“張子の虎”ではありません。


Demonstrations of Hand-to-hand combat, The Memorial Ceremony of the 3rd division and Camp Senzo (rehearsal)
Demonstrations of Hand-to-hand combat, The Memorial Ceremony of the 3rd division and Camp Senzo (rehearsal) / lasta29

 

 

 

V(-¥-)V ごとう さとき

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