叱り方訓練道場:いい叱り方、ダメな叱り方

斉藤みちる


叱り方

  

上の立場の人間だからと言って、上司の全員が全員、部下をきちんとたしなめることができる人とは限りません。そなたたちは、まだ部下を持っていない、もしくは後輩ならいるといった立場でしょうか。当記事を読んでよい上司になってください。

 

最近“部下を叱れない上司”が増えたといわれます。昔はどこにでもいた、いわゆる怖い上司は、今や“絶滅危惧種”と言っても過言ではないでしょう。

 

どうしてこうなったか、それは「叱る」という行為が、さまざまな意味でリスクが伴うことに起因するからでしょう。たとえば、厳しく叱ったことが原因で部下がやる気をなくし、最悪の場合は会社を辞めてしまうかもしれませんね。

 

しかし、「叱る」という行為は「ほめる」ことの裏表の存在として、あらゆる教育・指導のプロセスの中で避けて通れないことです。

 

そもそも「叱る」理由は何なのか?

まず、本人の成長を促すために叱ります。教育者として知られる二宮尊徳も「可愛くば、五つ教えて三つほめ、二つ叱ってよき人とせよ」と言っています。つまり本人の成長を願うからこそ叱らなければならないのです。

 

しかし、叱る理由は、それだけではありません。本人の身を守るために叱る、ということです。たとえば、お客様に重要なデータを送付するときは、基本的に宅配便を使います。これが一般郵便だと、履歴を追跡することができませんから。責任の所在が曖昧になります。つまり、不要なリスクを背負うことになります。

 

「緊張感のギャップ」を埋め、「立場の差」を埋めるためには、叱ることが最も効果的かつ迅速な方法です。これは、本人の成長を願うという表面的なキレイごとだけが目的ではなく、本人を、そして会社や組織を守るために、上司は部下を叱らなければならないのです。

 

上手に叱れる上司は部下に信頼される!叱り方のポイント

部下を叱る際には、押さえておくべきポイントがあります。

 

■事実に基づいたことだけを指摘する

思い込みで叱ってはいけません。曖昧なことはしっかりと事実確認をしてから叱るようにします。

 

■論理的に分かりやすく叱る

感情的にならずにきちんと段階を説明して叱ります。

 

■一番良くなかった点をきちんと分からせる

「なぜ叱っているのか?」をきちんと分からせます。

 

■部下を否定するのではなく、部下の可能性を引き出す言葉を使う

部下も自分の可能性に気づくことができるため効果的です。

 

■叱った後のフォローはきちんとする

問題が解決したら声を掛ける。その後どうなったか聞くなど、きちんと気にかけていることをアピールします。

 

■部下のために言っているということを分かってもらう

部下のためになってほしいから叱っているということを言葉で伝える。

 

■臨機応変に叱り方を変える

叱る内容、叱る相手の状況によって叱り方を変えることで、部下に響きやすくなります。

 

 

上司のくせにミスを部下に押し付けるような人が少なくないからこそ、ミスをかばってくれたり、フォローしてくれたりする上司の存在は有り難いものでしょう。つづいて、ダメな叱り方についてです。

 

上司のダメな部下の叱り方6つ

働く女性たちに、今まで出会った上司のダメダメな叱りっぷりを教えてもらいました。

 

■怒っているだけ

社会人なのですから、叱る、とはいっても、感情的に怒鳴るべきではありません。ただ怒るだけ、という行動は、精神的に未熟な人間のすることです。上司の器とは決して言えませんね。

 

■指摘しない

叱る、と言っても、怒鳴るだけではなんの解決にもなりません。悪いところをきちんと指摘し、改善策を考えるように指示するのが、職場における「叱る」です。それができないと、叱られた側が一切成長できません。

 

■叱っているの?

叱らなければならないところで、変に許してしまったり、褒めたりしてしまったら、部下も自分の過ちに気づくことができません。許すことも、褒めることも、時には成長を妨げる行為なのです。

 

■女性に対しては・・・

妙なところでレディファーストの意識が働くのか、それとも「叱ると女は面倒だから」とでも思っているのか、女性だけには叱ることができない人も。男性と同じように働いているのだから、こういうところでだけ差別するのも問題です。

 

■見ないふり

波風を立たせるのが嫌なのか、そもそも叱ろう、という姿勢すら見せない上司も中にはいるようです。叱らず、部下に過ちを繰り返させることは、巡り巡って自分の評価にも影響する、というところまで考えがいたらないのでしょうね。

 

■部下に弱い

部下の中には、上司が言ったことに対して、反論する人もいることでしょう。反論されたからといって、自分が正しいことを言っている自信があるのなら、強気で行けばいいのに、反論された途端、委縮してしまう人も。

 

まとめ

上の立場の人にも、きちんと部下を叱れない人はいます。部下を育てることのできないダメ上司に付くと、本当に大変ですよね……。こういう上司を反面教師にし、自分が上の立場になった際は、下の人間に対して、きちんと的確に叱れる上司になりたいものですね。

 

そもそも、強く注意したくなるほどの欠点を持つ部下というのは一度や二度で解消できるものではありません。多くの場合根気強いケアが必要なものです。だからこそ、一時の感情ではなく、戦略をもって叱らなくてはなりません。

 

どこを直し、どこを伸ばせば、どのような人間になるのか、一人一人、部下の個性を見ながら戦略を立てて育てることです。

 

自分が上の立場になった際は、下の人間に対して、きちんと的確に叱れる上司になりたいものですね。

 

以上、叱り方訓練道場!できるビジネスマンの部下を叱るテクニックでした。

 

 

 

 斉藤みちる プロフィール

社会活動家/「みんなの社会科」管理人

その傍らオラクルカードを中心とした占いもしております。ヒット記事『陸上自衛隊レンジャー訓練』。福祉力検定3級。

Twitter @tikyuuhattenn