ソーシャルワーク実践へ、展開過程を理解しよう

斉藤みちる


夕日を掴む トリック写真

 

ソーシャルワークの展開過程は、生活上の課題つまりニーズを満たし問題解決していくプロセスです。ジェネラリスト・ソーシャルワークの視点では、知識、価値、技術を基盤として人と環境の相互作用に介入することを通じた変化のプロセスを意味していますね。そのプロセスは、ケースの発見、受理、アセスメント、プランニング、支援の実施、モニタリング、終結を主な要素としてくりひろげられていきます。

 

ソーシャルワークの実施過程とは、援助活動全体の時間的な流れです。それは個人の生活や地域が抱える何らかの生活問題の改善や解決という目標に向けた一連の援助行為の積み上げからなります。もちろん、その展開の仕方は援助の対象やその状況、援助の仕方によって異なってきます。

 

ケースの発見

支援の必要性が発見されるには、自ら相談に訪れる、家族が相談に訪れる、ほかの機関から紹介または装置されてくる、電話相談やネットを利用したメール相談が入るなどの場合があります。

 

利用者に、相談したい、解決したいという自発的な気持ちが芽生えている場合は、相談支援の過程に入りやすい状況にありますが、それが見られない場合には、ソーシャルワーカーが課題への気づきをうながすか、かわりをする必要があります。

 

受理(インテーク)

ソーシャルワークのはじまり、すなわち援助者であるソーシャルワーカーと、サービスを利用しようとする人やその家族との出会いの段階です。

 

面接を通じて、主訴を聞き取ります。この段階では利用者が現在どのような生活状況にあって、何に困っているのかを把握することが重要となります。しかし、しばしば相談に訪れた利用者が課題と感じている内容と、解決すべき課題が一致しないことがあります。ソーシャルワーカーは、それを十分に区別しながら、利用者が感じている状況の奥に隠された背景にも気づき、全体像を把握する必要があります。

 

そのうえで、ソーシャルワーカーが在籍する機関がどのような支援を提供できるかを説明して、支援を活用しながら問題解決に向かって協働していくかどうかの意思確認を行います。

 

アセスメント

アセスメントは、ソーシャルワークの過程では最も重要とされる部分で、面接や観察、調査などによる情報の収集によって、個人、家族、小集団、機関、コミュニティに関する理解を進めます。人々と社会システムの相互作用を個別化して把握する過程で、支援の基礎となる理解を図るための情報収集と分析を行い、生活状況における課題、支援の障害、支援の展開過程で活用できる環境や社会資源における課題、支援の障害、支援の展開過程で活用できる環境や、社会資源の状況を明らかにし、判断する過程となります。

 

そして、実際に援助を開始した後でも、利用者や家族とのかかわりのなかで、新しい気づきや発見が援助者にもたらされたり、新たな情報が得られたりして、援助の目標や内容の見直しにつながることがありますこの情報収集やアセスメントの作業は、援助の初期段階に留まらず、その利用者へのソーシャルワークを実施する過程のなかで、繰り返し継続して行われるものです。

 

プランニング

アセスメントと変化を促進する援助活動を繋ぐものです。活用可能な資源に焦点をあてて、具体的なゴールと目標を定め、それに向けた援助活動内容を記した援助計画を作成する段階です。それは、援助者による一方的な目標設定や計画の作成では意味がありません。利用者の参加、すなわち利用者の意思や希望が尊重され、利用者の立場に立った目標の設定と、計画の作成が求められるのです。

 

援助活動の計画においては、コミュニティの期待、規範、価値、サービス供給システム、社会資源を含むコミュニティを視野に入れます。またその利用可能性とゴール達成の可能性を検討します。

 

援助活動(介入)の実施

直接援助活動と間接援助活動があり、直接援助活動の過程では、効率性、自己決定、個別化、変化、ソーシャルワーカーとの相互補完、プランニングにおける本人の参加に基づくゴールの焦点化を原則として援助活動の種類を決定します。具体的には、人間関係の発展を促す活動、利用可能な資源を活用できるようにする活動や、エンパワーメント、具体的で求める人の性格傾向や行動様式、ソーシャルワーカーの介入のレパートリーなどによって決められていくのです。

 

間接援助は、影響力のある人への働きかけ、サービス調整、ボランティアプログラムの開発、セルフヘルプグループと取り組む活動、地域への働きかけ、ソーシャルアクション、アドボカシ―などがあります。

 

モニタリング

ソーシャルワーク実践が目標やゴールに近づいているかを判定する手段です。アセスメントから援助活動、終結のいずれの段階でも評価を行い、機体されていることが実際に進んでいるのかを調べます。方法や戦略は有効だったのか、原因は何かを判断し、当初定められたゴールと目標に関する一連の援助活動の結果の評価を行います。また複数のサービス事業者が同時にかかわっているような場合には、事業者相互の連携や支援チームやネットワークの形成がなされているかなどを確認する作業も必要です。

 

終結、評価、アフターケア

ソーシャルワーカーと協働で取り組んだ作業を終わらせる段階である支援過程の終結は、原則として支援の開始時期に計画されるものです。

 

終結して支援がなくなっても順調にやっていけるだろうか、という不安をソーシャルワーカーと利用者の双方が感じています。この状態を安定させて終結することができるよう、ソーシャルワーカーは力量を高める必要があります。

 

支援の終結に際しては支援の効果を測り、支援が妥当であったかどうか、支援計画は実施できたか、予想外に成果のあったことは何か、など多角的に評価を行います。こうした積み重ねが次の支援の力の高まりにつながります。

 

また、利用者に対しては、支援の終結後にも生活状況に変化が起きたり、新たなニーズが生じた場合には支援を再開できる。すなわちアフターケアが可能であることを知らせます。

 

 

 

 斉藤みちる プロフィール

社会活動家/「みんなの社会科」管理人

その傍らオラクルカードを中心とした占いもしております。ヒット記事『陸上自衛隊レンジャー訓練』。福祉力検定3級。

Twitter @tikyuuhattenn