アップルを訴えた日本の中小企業 総額100億円の賠償額 一歩も引かずに立ち向かう!

斉藤みちる


米巨大企業アップル社 イメージ

 

米帝のIT企業「アップル」を日本の中小企業、島野製作所(東京都荒川区)が昨年8月、特許権侵害と独占禁止法違反で訴えた裁判が、2016年2月15日東京地方裁判所の判断で、日本で裁判を続けることが決まった。

 

島野は従業員350名、年商約30億円と規模は小さいながらも、その高い技術力を評価され、インテルやサムスンなど世界中の有名企業から注文を受けている。10年前からアップル社とも取り引きし、「ポゴピン」と呼ばれる電子機器などに使われるピンを製造してきた。

 

その島野が、アップルに「増産を求められて設備投資を行った直後に取引を減らされた」などとして、東京地方裁判所に総額100億円にものぼる賠償を求める訴えを起こしている。

 

この裁判は、島野にとっては死活問題だが、アップルのような巨大企業には島野なんてアリのような存在なのだ。

 

裁判の過程で白日の下に晒されたアップルの島野に対する「下請けいじめ」ともいえる要求の数々。技術やノウハウを奪われ、商品を安く買い叩かれ、ついに訴えるしかない状況に追い込まれた。

 

紛争はアメリカの裁判所で扱うとした両社の合意が国際裁判管轄を規定した改正民訴法施行前に結ばれていたことが焦点となっていたが東京地裁は「あらゆる紛争は米カリフォルニア州の裁判所で解決する」とした両社の合意は範囲が広すぎ、無効だと認定した。

 

実際、中小企業は大企業から独占禁止法違反など不法行為を受けても合意があるため負担の大きい海外での裁判を諦め泣き寝入りしてきた事例が多かったとされる。しかし、今回の判決で、国内で提訴できる可能性が開けたこととなり、中小企業の地位向上に繋がることが期待される。

 

ちなみに、米帝での裁判は、恐ろしいくらい裁判費用がかかり、日本とはだいぶ桁が違う。全部主張を英語でやらなければいけず、日本の事情も解る国際弁護士を使わなければならない。今回は、訴訟の訴額が高い、百何十億の請求だ。これを弁護士にやらせたら桁違いな弁護士報酬になる。

 

それを負担するのは島野にとって大変なことだ。しかも米帝の裁判所に日本の独占禁止法だと言っても裁判官は初めて条文を観ることになる。どう運用されているか、判例も知らないわけだ。持ちこまれる米帝の裁判所だって困るだろう。

 

つまり「すべての裁判はアメリカだ」と書くこと自体が非合理なのだ。だからこれは無効であると判断が出たということ。

 

米アップルと争った島野の代理人を務めた溝田宗司弁護士と浅岡知俊弁護士は連名で「中小企業に救済の途を開く極めて正当な判断だ」と述べた。

 

国際的な裁判の扱いについて詳しい立教大学の早川吉尚教授も「裁判に関する企業の合意が無効とされたのは異例だ。外国企業の下請けをする日本の中小企業にとって海外の裁判は負担が重く、今後救済につながる可能性がある」と判断を示している。

 

米アップルは「日本での提訴は合意に反し無効」と主張。島野は「合意は独占禁止法が禁じる(アップル側の)優越的地位の濫用の下で結ばれたため不当だ。国内で審理されるべきだ」などと反論していた。

 

 

 

 斉藤みちる プロフィール

社会活動家/「みんなの社会科」管理人

その傍らオラクルカードを中心とした占いもしております。ヒット記事『陸上自衛隊レンジャー訓練』。福祉力検定3級。

Twitter @tikyuuhattenn