「孤独死」救急車により九死に一生を得る人々

斉藤みちる


走る救急車
走る救急車

 

孤独死とは主に、一人暮らしの人が、誰にも看取られること無く、当人の住居内などで生活中、疾病などによって死亡することを指します。高齢化社会が進んでいる日本では、孤独死で亡くなる人は年間約3万人とも言われています。2015年のひとり暮らし高齢者は、約600万人とも言われており、公営住宅4分の1が単身高齢者です。

 

一人暮らしの初老の男性が、自宅で遺体となって発見されたが、死後一ヶ月近くが経過している模様で、周囲の状況から、急病による死亡と判断され・・・。というのが典型的なケースです。

 

孤独死の実態

人が死ぬと、徐々に表皮が腐り少しずつ体液が漏れ始めます。室温や密閉性など部屋の状況にもよりますが、夏ならばわずか1日、冬であれば1~3日で腐敗が始まります。

 

人間の体には水分以外にも脂肪分、つまり脂が想像以上に多く含まれていて、遺体が腐敗していく過程で水と油が混じったドロドロの液体が浸み出し死痕ができます。

 

腐敗すると必ずウジが湧きハエが飛び交います。閉め切ってある部屋でハエが居なかったとしても、わずかな隙間があれば、いくらでもハエは侵入してきます。

 

こんな状況になると部屋中に異臭が満ち強烈な臭いがします。人の腐敗臭は食肉が腐った臭いともまた違う、独特な嫌な臭いです。

 

まさに新聞記事でいう「都会の悲劇」というキャッチフレーズがしっくりきます。

 

つぎに、孤独死を未然に防ぐ救急車の正しい利用方法をご案内します。

 

こんな症状ならためらわず救急車を呼びましょう。救急車利用の手引き

 “救急車”は孤独死を防ぐ強い味方です。救急車が必要なときってどんなとき?

 

孤独死に繋がる重大な病気や怪我の可能性がある「ためらわず救急車を呼んでほしい症状」とはどのようなものでしょう。(大人の基準ですので小児には当てはまりません)

図 孤独死に繋がる重大な病気や怪我の可能性がある「ためらわず救急車を呼んでほしい症状」

救急車を呼ぶべきかどうか判断に困った場合などに、活用していただければと思います。救急車や救急医療は限りある資源です。みんなで上手に利用し、救急医療を安心して利用したいですね。

 

ちなみに、日本が世界に誇るトップモデル山口子夜子さんは、「風邪をひいたら軽いうちに薬を飲んで寝れば治る」と生前おっしゃっていて、肺炎で亡くなったときは死後数日してから知人に発見されたそうです。孤独死だったのでしょうか。54歳で肺炎で亡くなるとは早いですよね・・・。

 

救急車の行きつく先 救命救急センター

救命救急センターは、各消防署救急隊から直接依頼を受けて救急外来に来院する救急車搬送患者、及びトリアージレベルの高いwalk in重症患者の初期診療、またICUECUにおける集中治療管理、院内急変時のコードブルー対応、また、他の医院・診療所、一次・二次救急病院などからの紹介で来院される患者さんの診療を行います。

 

救急医療とは、本来、「突発・不測」に生じた病気に対応するものです。

 

ということは救急病院、とくに救命救急センターに担ぎ込まれてくる場合、患者は、何時から具合が悪くなったとか、どこで怪我をしたかというように、患者自らが話せたり、あるいは傍らに目撃者がいたり、また、そうでなくとも、発症時刻については明らかなことが常です。

 

しかし、具合が悪くなった場所が自宅であったとしても、一人暮らしだったりすると患者本人の意識がはっきりしていない限り、それが何時からのことなのか、正確なことは分かりません。

 

あるいは、家族と同居をしている場合であったとしても「昨日の朝は、いつもと同じように、朝7時前に朝食を一緒に食べましたが、夜帰宅したとき、母はすでに、就寝しており、今朝は、出勤時にはまだ起きていなかったので、母の顔は見ておりません。今朝帰宅してみて、母が寝室の布団の中で意識を失くしていることに始めて気がつき、救急車を呼びました」などと申告されたりすると、いったい何時から具合が悪かったのか、あるいは何時意識を失くしたものなのか考えてみれば、実際とは丸2日近くもずれてしまうことがあり得るわけです。

 

また、家の外の路上で倒れているところを発見されたような時でも、そこがたまたま人通りの少ない路地裏などであったりすると、これまた何時間も、下手をすれば何日にもわたって、気づかれないこともあり得ます。

 

こうしたケースは厳格には「突発・不測」の病態には当たらず、救急医療の、まして救命救急センターの対象外と言えます。

 

しかし、病状が「重症・重篤」ともなれば、救急センター以外には引き受け手がなかなか見当たらず、また、可能性のことだけで言えば、実際の発症時刻が救急車が呼ばれた直前だったということもあり得るわけで、「突発・不測」に準じて、救命救急センターが対応するべきだとの考えが採用されています。

 

いずれにしても、こうした直接の目撃のない症例は、仲間内では「発見系」と呼ばれており、患者の診療をするうえで最も重要な倒れた前後の正確な情報を得るために、家族から根掘り葉掘り話を聞いたり、あるいは、救急隊や警察官に現場の状況をしつこく尋ねたりするなど、土曜ワイド劇場さながらの聞き込みをしなければならない事態に陥ることもあります。

 

  

 

 斉藤みちる プロフィール

社会活動家/「みんなの社会科」管理人

その傍らオラクルカードを中心とした占いもしております。ヒット記事『陸上自衛隊レンジャー訓練』。福祉力検定3級。

Twitter @tikyuuhattenn