新自由主義の本質 ~政治哲学と人類遺伝学を通して~

斉藤みちる


新自由主義の本質を探る探偵

 

本記事では、先進国病ともいえる『新自由主義』について、政治哲学ないし人類遺伝学の観点から解説して行きます。

 

そもそも政治についての哲学的思索と、実際の政治的論争の二つの連結、あるいは理論が、実践に結合することは、かつては左派の特別な関心事だと考えられていました。

 

つまり、左派の目標は、哲学家と政治家のあいだの役割分担を克服し、哲学者たちに政治闘争の緊急性とかいうものを押し付けて、そうして彼らに政治的勝利の喜びのようなもののチャンスを与えることでした。

 

しかしながら、哲学と政治との結合を示す現代におけるもっとも明確な事例は、右派によって生み出されています。すなわち市場主義と、その直接的な同伴者となる新しい自由放任型の政治です。これが『新自由主義』です。

 

『市場主義』は、そなたのいる社会の政治文化の大いにゆがめられた反映であって、それは共同体的な協力関係や、国家行為に関する事例を無視ないし、抑圧し、さらに公衆衛生、産業デモクラシー、職場の安全保障、環境の管理などのための政治闘争の意義を否定します。

 

『自由放任型の政治』は、資本主義企業への大規模な公的補助金については触れずに、福祉国家に対して無遠慮な攻撃態勢をとるのです。

 

社会保障が無くなるとどうなるのか、要するに、すべて自己責任になるということです。すべて自己責任になると、お金が動かなくなります。人はお金を使わなくなる。ここのところが一番経済にとって、とてもマイナスになります。

 

今安倍政権は、新自由主義の政治を推し進めつつあります。けれども、私は、批判を入念に論じるつもりはなく、人類遺伝学の観点から短く指摘したい。

 

人類は、約1万年前に農業を始め、それに伴って、定住してより大きな共同体で生活し始めましたが、そうした共同生活がうまくいくためには、規則によって攻撃性を制限する必用があります。こうして人類は犬やねこを家畜化したのと同様に、自分自身を飼いならし始めたのです。

 

今、そなたたちが注意しなければいけないことは、新自由主義に飼いならされないようにすることではないでしょうか。たとえば、日本経済新聞社とテレビ東京による世論調査では、専業主婦世帯を優遇する所得税の配偶者控除の廃止に「賛成」が53%、「反対」が32%となっています。世論がこう変わってきているのは大きな話。国民のマインドが弱肉強食になっているのです。

 

ネットの世界では遥か昔に、グローバリゼーションが害悪だと結論が出ていたはずです。それがいつの間にか日本の指導者の空気感に慣らされてしまっていたということです。新自由主義に飼いならされていませんか?

 

 

 

出典

政治的に考える マイケル・ウォルツァー著 P136.137

知能と人間の進歩 遺伝に秘められた人類の可能性 P75

 

 

□斉藤みちる

国家が自分の自由の中に、変な形で介入することを拒みます。人間が自由であることの背後には、文化や伝統といったことがあるということを踏まえての自由主義者。

Twitter @tikyuuhattenn