過剰防犯『顔認証システムの法整備』

斉藤みちる


スーパーマーケットの監視カメラ

 

当記事は、顔認証システムの法整備を中心に解説しています。過剰防犯のなかでも私が注目したのは、何のルールもなく、プライバシーの侵害が行われる恐れのある顔認証でした。

 

顔認証システムの法整備への要請は、今までも、わずかながら見られましたが、法整備に関して詳しく解説されているものが見当たらなかったので、今回、福谷陽子元弁護士に聞きました。

 

顔認証システムの問題点と法整備

最近、周囲で「顔認証システム」の導入について耳にする機会が増えていますが、顔認証システムとはどのようなもので、どのような問題があるのでしょうか?

 

「顔認証システムとは、事前に顔の情報を登録し、それによる認証が行われるシステムのことです。事前に登録している顔と同じ人かどうかを判断できるので、防犯対策などにつながるとして注目されています。近年、テーマパークやショッピングセンターなどでも導入されることが増えています。」

 

顔認証システムには法的な問題がありますか?

 

「はい、主に問題になるのはプライバシーの問題です。顔認証システムを利用するには、事前に顔を登録する必要がありますが、このときに本人の了承を取らずに勝手に登録されると、プライバシー権侵害となって、不法行為になります。

また、顔情報の取得自体には問題がなくても、管理方法に問題があって漏えいなどされてしまったら、情報の持ち主(顔を登録した人)は大きな損害を被ることになってしまいますし、事業者はやはり不法行為責任を負います。」

 

なるほど、顔認証システムには、顔の情報の取得や保管方法について問題がありそうですね。

 

「そうです。顔認証システムは比較的新しいシステムで、まだそのあたりの法整備が整っておらず、運用には危険も大きいです。」

 

顔認証システムを適切に運用するにはどのようなことに注意が必要ですか?

 

「顔認証システムの問題点は、個人のプライバシーに関わる問題です。そこで、情報を取得できるケースを限定する必要があるでしょう。万引きの現行犯などの場合には情報を取得しても良いでしょうけれど、店舗やテーマパークなどを訪れた客の顔の情報を取得する際などには要件を限定すべきです。顔認証システムを導入できる業種を限定しても良いでしょう。

また、情報の管理方法についても法整備を行うべきです。管理体制を整えて事前に申請をした事業者のみが顔認証システムを導入できるようにするなどの方法が考えられます。

また、情報を第三者に提供する場合の規制も必要です。基本的には、本人の了承がないと情報提供はできないとすべきです。」

 

なるほど、そのようにするとプライバシーの観点からも安心ですね。まだ、法整備されていないということですが。

 

「はい。これらに加えて、情報を不正取得したり、漏えいしてしまったりした場合の罰則も定める必要があるでしょう。」

 

第三者機関の設置など、もっと議論を深めていく必要がありそうですね。

 

顔認証システムの法整備ができる前の対処方法

現在、まだ顔認証システムについての法整備が整っていないとのこと、この段階での対処方法はありますか?

 

「法整備ができるまでの間は、自分で自分を守る必要があります。まずは、不用意に顔認証の登録をしないことです。たとえば、テーマパークなどで年間パスの取得者の顔認証登録をする場合などがありますが、現段階では顔情報の保管方法などについての法整備が整っていない以上、安易に登録してしまうと不安があります。」

 

なるほど、ほかにはどのようなことがありますか?

 

「顔認証登録が行われていそうな場所には近づかないことです。たとえば、顔認証システムを導入していることを発表しているショッピングモールには行かないことなどです。さらに当然のことですが、万引きなどの犯罪行為をすると監視カメラに写った映像を保管されてしまっても文句を言えないので、そのような問題行動をしないことが必要です。」

 

顔認証システムの管理も気になりますが、まず自分の管理をしっかりとってことですね。よくわかりました。ありがとうございました。

 

 

 

 斉藤みちる プロフィール

社会活動家/「みんなの社会科」管理人

その傍らオラクルカードを中心とした占いもしております。ヒット記事『陸上自衛隊レンジャー訓練』。福祉力検定3級。

Twitter @tikyuuhattenn

ネットの自由、顔認証、集団ストーカーを解決する『プライバシー保護評議会』