児童虐待で保護された子どもはどうなるの?施設ってどんなところ?

琉舜


食事中の児童

 児童虐待で保護された子どもはその後どうなるのか?施設に預けられるんじゃないの?などと、漠然としたイメージはあるものの、実際はよく分かりませんよね?

本稿では、その辺をかいつまんで解説します。

虐待を受けている子どもが保護され、親元に返すことが出来ないと判断された場合、その多くは『児童養護施設(昔の呼び名であれば孤児院)』に預けられることとなります。

 

 

 

児童養護施設とは、児童虐待のほか、親と死別して養育者がいない、親が長期入院していて預け先がない、

親が刑務所に入っていて預け先がない、そもそも貧困で養育が出来ないなど、「保護者の健康上、経済上の理由などで監護を受けられない児童、または保護者の元で生活をさせるのが不適当な状況にあると児童相談所が判断した児童が入所する施設」と定義され、大小含めて全国に約600か所あり、入所児童は3万人近くに上ります。

孤児院という旧来の名称の通り、元々は、孤児を受け入れる施設としての色合いが強かったものの、年々、児童虐待による被害児童の入所割合が増え、平成25年の調査では、入所児童の実に59.5パーセントを占めるまでになっています。

児童養護施設のほかには、里親や養子縁組といった仕組みもありますが、子どもと会うことすら叶わなくなるため敬遠されることが多いようで、児童養護施設入所との割合的には9:1だそうです。

また、イメージとして付きまとう「単に親に捨てられたりした子どもを預かる場所」というだけでなく、家族関係を取り戻すための家族再統合支援や、親の入院など様々な理由で一時的に子どもを預かるショートステイ(原則7日間)、より家族に近い生活を想像させる少人数生活など、多角的な取り組みが為されているようです。

どうやら、私たちが漠然と抱いている施設のイメージ(暗い、汚い、粗雑など)からは、かなりの変貌を遂げつつあると言えそうですね。

 

 

 

一方で、児童相談所側が、虐待の見逃し防止(虐待死などの重大事案に発展した際の批判逃れ)に過敏になりすぎて、保護する必要のない子どもさんまで保護して施設に収容してしまう、いわゆる過干渉が問題になっているケースもあります。

また、そうしたケースにおいても、施設における生活では外出の制限など一定の制約を受けますし、退所の審査にも一定の期間を要し、虐待ではないのにすぐに親元へ戻ることが出来ないといった弊害が生まれる可能性があることも事実です。

 

 

但し、児童虐待を受けている子どもさんにとっても、虐待を繰り返してしまう親御さんにとっても、こうした施設があること、そして子どもを預かってくれるだけではなく様々な支援を受けることが出来ることを知っておくことは非常に有効だと思います。

受け入れてくれる場所がある、最後に頼る場所があるのです。

児童虐待に苦しんでいる方がいれば、どうかそれを覚えておいて欲しいのです。

思いつめて無理心中といったニュースもよく耳にしますが、そんなことをする必要はないのです。

もし、無理心中などをお考えの方がいれば、せめて子どもだけでも救ってあげて下さい。

そうした受け入れ場所があるのですから。

 

 

 

施設に預けた子どもには、少なくとも衣食住が保証されます。

温かい食事が食べられ、お風呂に入ることもでき、虐待に怯えることなくやわらかい布団でグッスリ眠ることが出来るのです。

それが、虐待を受け続けている子どもにとってどれだけ幸せなことかは、もはや言うまでもないと思います。

児童養護施設、どちらかというと暗いイメージを持ってしまいますが、現実に虐待を受けている被害児童にとってみれば、天国のような安らぎを得られる場所なのかもしれません。

こうした施設のことが、もっと広く認知され、そして理解され、地域全体で支えていける仕組みが出来ていけば、そこで暮らす子ども達の将来も、きっと明るいものになるのではないでしょうか?

 

 

 

□琉舜

北海道在住の30代、3児の母。過去には法律関係の仕事をしていたこともあり、政治問題や社会問題に関心を持ち続けています。