児童虐待に気づいたら。通報という対応を覚えておいてください。

琉舜


女児の後ろ姿

 児童虐待。

社会問題のひとつとして定着し、ニュースでも頻繁に取り上げられるようになったのにも関わらず、子どもが虐待によって死に至る悲惨なケースも後を絶ちません。

こんな悲しい出来事をなくすために私たちに何が出来るのか?

身近なところで児童虐待が起きていることに気づいた時、どうすべきなのか?

そうしたときは、通報して下さい。

それで救える命が、救える子どもがたくさんいるのです。

 

 

 

厚生労働省発表によると、平成27年度中に、全国208か所の児童相談所が児童虐待相談として対応した件数は103,260件(平成26年度中88,931件)と過去最多を記録しています。

児童虐待とは

     身体的虐待

     性的虐待

     保護の怠慢・拒否(いわゆるネグレクト)

     心理的虐待

の4類型に区分されています。

つまり、子どもに暴力を振るう、猥褻なことをする、させるといった直接的な行為のみならず、食事を与えない、外に放り出したまま放置する、暴言を浴びせるなどといった間接的な行為までが含まれます。

児童虐待をしない、させないための環境作り、防止方策はもちろん大切です。

ですが、実際に身近なところで児童虐待が起きていることを知った時、私たちはどうするべきなのでしょうか?

 

 

 

それが冒頭でも記述した通報という手段です。

児童虐待がまさに今起きている、その時、最優先すべきなのは子どもの命、つまり被害児童の保護、救出です。

ですから、そんな時は赤の他人であっても迷わず通報して欲しいのです。

確証が得られていなくてもかまいません。

隣のお宅から異常なほどの子どもの泣き声がする、親の怒鳴り声がしょっちゅう聞こえる、子どもが異様にやせ細っている、頭髪が脂ぎっていて不潔な感じがする(入浴させていないのではないか?)、ひとり親家庭なのに親が出かけたまま帰ってきていないようだ(長時間放置しているのではないか?)、このような断片情報でかまわないのです。

昭和の時代と違い、現在はご近所付き合いどころか、親兄妹をはじめ、親族との関係ですら希薄な時代になりました。

言い換えれば、周りの目が届かないところで虐待が起こっているのです。

だからこそ、皆さん1人1人の「あれっ?虐待かも?」という違和感が非常に大切であり、それがそのまま虐待を受けている子どもの命を救う生命線にもなるのです。

 

 

 

こうした時、通報先は、大きく分けて2つあります。

警察の「110番」、そして、児童相談所の全国共通ダイヤルである「189(いちはやく)番」です。

もちろん、最寄りの警察署や児童相談所に電話をかけてもかまいません。

通報者が誰であるのか、警察や児童相談所から対象の家庭に漏れることは絶対にありません。

だから、おかしいなと思った時には、躊躇せず、安心して通報して欲しいのです。

 

 

 

通報を受けた警察や児童相談所は、必ず当該宅の児童と面接します。

面接をせずに、親など(同居者などを含む)の説明だけを鵜呑みにして引き上げることは絶対にありません。

それは、彼らの第1の目的が被害児童の早期発見と早期保護だからです。

ここで虐待の事実を見抜くことが出来ずに、後にさらなる重大事案に発展した場合、当該機関も大きな批判とダメージを受ける訳ですから、絶対に手を抜くことはしません(過去には見抜けなかった事例も存在しますが、それらの教訓を踏まえた現在の対応です)。

そして、面接をしたうえで、身体に傷や痣がないかはもちろんのこと、いわゆるネグレクト状態にないか、心理的な虐待を受けていないかを具体的に判断するのです。

これを拒否した場合には、強制力をもって家の中に立ち入る場合もありますし、虐待の事実が確認された場合には、被害児童の即時保護、加害者の逮捕などといった流れに移行していくのです・

無論、必要な捜査(調査)の結果、虐待の事実がないと判断されれば、対象家庭にも協力への謝意を述べたうえで、お咎めはありませんし、通報者が何らかの責めを負うことももちろんありません。

大切な子どもの命を守るために、あれっ?と思った時には、ぜひ通報をして下さい。

皆さん1人1人のちょっとした違和感を感じ取る嗅覚と勇気のある通報が、傷ついている子どもたちを救うということをどうか覚えておいていただきたいと思います。

 

 

 

□琉舜

北海道在住の30代、3児の母。過去には法律関係の仕事をしていたこともあり、政治問題や社会問題に関心を持ち続けています。