【なんで母親バッシングするんだろう?】優しい社会は訪れるか、ツイートで見る

斉藤みちる


 

なぜ人々は容易に母親バッシングをするのでしょうか。子供の事件事故は、母親バッシングに結びつきやすいです。こういう時に始まる母親バッシングは本当に見ていて辛いものがあります。

 

私は詳しくないですが、母親バッシングを「親学的」だと指摘する声もあります。

 

ここでは、母親バッシングの事例を上げて、Twitterの声と共に解説して行きます。


目次


明治神宮外苑、イベント火災、5歳男児死亡

2016年11月6日、東京都新宿区の明治神宮外苑のイベント会場で、展示物が焼ける火災があり、5歳の男児が死亡しました。

 

木製のジャングルジムを制作した日本工業大(埼玉県)の学生らは、白熱電球の投光器をもともと作業用として会場に持ち込んでいた。火災当日は展示物を照らすため、中に入れたという。同庁は引き続き、関わった学生らから慎重に話を聴いている。

出典 http://news.ameba.jp/20161109-549/

 

悲しい事件が起きてしまいました。

 

●「母親ばかり責任を負うの?」Twitterでは一緒にいたのが“母親”だったらと仮定する声も

 

ツイート「ジャングルジムで焼け死んだのも、一緒にいたのが父親じゃなく母親だったら、「何であんな危ない場所で遊ばせたんだ!そんなのも分からなかったのか!」とか「親なら命に代えても助けろ!母親失格!」とか言われて叩かれたんだろうな」
出典 https://twitter.com/search?q=%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%83%AB%E3%82%B8%E3%83%A0%E3%80%80%E6%AF%8D%E8%A6%AA&src=typd

 

そう、一緒に来ていたのは父親でした。

 

ツイート「悪いとまでは言わないけど、ジャングルジムで遊ばせてる時にそばにいなかったんだろうなー何してたのかなー母親なら叩かれたろうに、父親だと叩かれないねーとかは思う。」
出典 https://twitter.com/search?q=%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%83%AB%E3%82%B8%E3%83%A0%E3%80%80%E6%AF%8D%E8%A6%AA&src=typd

 

確かに、母親バッシングの時のような、非難の声は聞こえてきません。

 

ツイート「ジャングルジムのニュース見て、お母さんは?って、自分の思考がなった事に驚いた。完全に日々の生活で、すり込まれてる…。怖い。お父さんは?が当たり前に出て来なきゃ、母親ばかり責任を背負う事になる。」
出典 https://twitter.com/search?q=%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%83%AB%E3%82%B8%E3%83%A0%E3%80%80%E6%AF%8D%E8%A6%AA&src=typd

 

父親だと叩かれないのでしょうか?母親にだけ目が行くというのは、「子供は母親が育てるもの」というジェンダーの問題も絡んできそうです。

 

お亡くなりになった男の子のご冥福を祈り、ご家族には心からお悔やみを申し上げます。

 

マタニティーマークは暴言や暴力の標的になる

下のツイートをきっかけに、ネット世論が盛り上がり、世間の妊婦への冷たい視線が露わになることとなりました。

 

ツイート「「妊婦ですキーホルダーをしてると故意に蹴られたり腹を押されたりする事もあるので、キーホルダーを見せるのはシルバーシートの前だけにしましょう!と産婦人科で注意された」と妹が言ってたな。いつから電車はそんな恐ろしい乗り物になったんだ…」
出典https://twitter.com/masaki77/status/436662039415500800

 

初めて見たときは、凄いインパクトを受けたツイートでした。妊婦はいたわるものだとばかり思っていましたからね。

 

意外に思われるかもしれませんが、マタニティーマークの本来の趣旨は、「席を譲ってください」ではなくて、何か容態が急変したときに「(医療従事者に対して)私は妊婦ですので、通常時と異なる医療措置が必要です」ということを示すというのが目的なんですね。

 

どっちにしろ、妊婦に配慮するのは優遇でもなんでもないのです。

 

また、お腹のまだ小さい妊娠初期の方のほうが、逆につわりが酷かったり流産の危険が高いという事もあります。マタニティーマークが、妊婦に不利に働くなら、ヘルプマークを代わりに使うのもアリかもしれません。

 

生まれつき痣がある息子を持つ母の訴え

ツイート「先日福岡放送で放送してた特集。生まれつきの血管の病で顔にアザがある状態の子、その母親が街で浴びせられた言葉。「知られてない難病だからこういう苦労もある」風なナレーションだったけど、仮にこれが本当に火傷だったとしても、それを見ていきなり他人に「母親失格」と言う老夫婦も酷いよね。」
出典https://twitter.com/sakurajimanini/status/789989020348493824

 

この男の子は、生まれつき顔に痣があります。これは“スタージ・ウェバー症候群”と呼ばれる先天性の痣で、はっきりとした原因はまだわかっていません。この母親が街で見知らぬ老夫婦に、「顔に火傷をさせるのは、母親として失格」、「あんたは母親になる資格はない」という声を浴びせされたそうです。酷いですよね。

 

このツイートには、こんな反響が。

 

『「大丈夫ですか どうしたのですか」と問いかけるのではなく、いきなり「母親失格」と口汚く罵る時点で、その老夫婦は"人間失格"やと思うわ。』

 

『自分も太股に大きな赤痣があって、近所のおっさんに「それじゃあ、お嫁に行けないね」と暴言を投げつけられた。心の中で徹底的にボコッてやったけどね( ̄▽ ̄)

 

『こう言った病いは、皮膚移植をしても治らなく、また、あざとなって出てきてしまいます。(以前同じ病いの方に聞いた話です)

 

『お母さん、応援しています。心無い言葉をかける人は、文字通り「心」「情け」がないんです。』

 

『うちの娘と友達になってほしい。糞はほっときゃいい。さしでがましいですがママさん応援していますよ!』

 

老夫婦の言葉は、いかにも短絡的な言葉でした。物事の経緯や背景といったものが少しでも頭に入っていれば違う対応が出来たのではないでしょうか。

 

朱雀高校、妊娠の女子高生に休学勧め体育実技要求

 

京都府立朱雀高校で、妊娠中の女子高生3年生・女子生徒18歳に、休学をすすめて卒業するためには体育の実技をすることを求めていたことが分かった。

出典 http://mera.red/x%E5%A6%8A%E5%A8%A0jk%E4%BD%93%E8%82%B2%E5%95%8F%E9%A1%8C

 

このケースは現状、休学が適当でしょうか。しかし、妊婦でも問題なく学業を継続できる体制を整えることが、望ましいというのは、前提です。

 

学校の体制は体制で作らないといけないですが、体制の議論だけではなく「未成年の妊娠の在り方」に関する議論も、同時に行っていくことが必要です。

 

未成年の妊娠の多くは、不幸な堕胎に行き着きます。だから避妊教育をしっかりしようとなります。しかし私が、「避妊の行動を取るのがなぜ難しいか」という調査をしたときに、見えてきたのは、自己決定ができているようでできていないということです。

 

自己決定できるほど、私たちは本当に自立しているでしょうか。私たちが「自分で決めた」と思っていることも、実は、ジェンダーや社会の価値観、環境などから影響を受けているわけです。「未成年の妊娠は悪いことだから堕胎するしかない」なんて酷じゃないですか?

 

社会風土の、未成年の妊娠についての受け止め方を改める時期に来ています。

 

もちろん、「望まれない妊娠を減らす」ことも必要でしょう。でも「思わぬ妊娠が発覚した場合は祝福しようよ」と思います。母体を責めてどうするんですか。

 

ツイート「望まない妊娠を防ぐ為に避妊への意識を高めることと望まない妊娠をふせぐことと望んだ妊娠を祝福することとどんな理由であれ妊娠している人を大切に扱うことは全部同時に成立するから。妊娠している人を追い込んで良いことなんで一つもないから。」
出典https://twitter.com/eis_baerchen/status/743040941892603905

保育園新設をめぐる騒動

ツイート「子供の声がうるさいと保育園の新設に反対する人は、自分が乳幼児にどれだけ周囲に迷惑をかけ、それでも守って貰って今の自分があるのだということを全く考えていないのではないか?社会とは相互に助け合う仕組みだ。社会に迷惑をかけるなという人は、自分が誰にも迷惑をかけずに生きてきたのだろうか?」
出典https://twitter.com/kaokou11/status/720598141066743809

 

この問題、「子供の声を不快に感じるなんてとんでもない恥を知れ!」と、まず最初思うんですよね。でも高齢者の中には、実際にそう感じてしまう方もいるのです。

 

そこで、例えばフィンランドでは二重サッシにしたり、外遊びもクラス交代でしたり、耳をつんざくような大声には「叫ばないで!」と言って止めさせているそうです。

 

日本でも、こうした工夫や努力をした上で、「子供の声を不快に感じる人」の立場も尊重し、両者の利害をどうやって調整するのかを考えることではないでしょうか。ネットでは、「反対派にお金を配れば解決するだろう」とする一部の見解もありました。

 

「ちゃんと見てないから」「躾が悪い」事件のたびに起こる母親バッシング

ツイート「母親だってね子供の全てを把握するなんてことはできないのよ子供なんて予想不可いつもできてて子供を信用してたのにその日だけ子供が失敗したそれだけでちゃんと見てないからだとかお前の躾が悪いとか全ての責任押し付けられ今までの苦労の育児を全否定される頑張ってる意味」
出典 https://twitter.com/dmtdmt342/status/792670591215996928

 

アメリカ・フロリダ州のディズニーランドのホテル前にある人口湖で、2歳の男児がワニに襲われて死亡した事件がありました。

 

そのときも男児の親に対する非難の声が多数上がりました。「どうして、子共をちゃんと見ていなかったのか?」「遊泳禁止の湖で遊ばせていただなんて、自業自得だ」。

 

男児が遊んでいた場所は浅瀬であり、遊泳禁止エリアで泳いでいたわけではありません。しかし深く事情を知らない人たちから、心ない言葉が投げかけられたのです。

 

これらの声に対し、ひとりの女性が立ち上がりました。

 

彼女はマサチューセッツ州に住む、ジェニファー・ヴェンディッティさん。3人の子供の母親であるジェニファーさんは、事件当日ディズニーランドで休暇を満喫していました。

 

男児の両親を責める声に心を痛めた彼女は、数枚の写真とメッセージをFacebookに投稿することにしたのです。

 

私は事件が起きた30分前に、この写真を撮影しました。

 

生前の男児
出典https://www.facebook.com/photo.php?fbid=10154371802522147&set=a.241065272146.141462.710367146&type=3&theater
生前の男児
出典https://www.facebook.com/photo.php?fbid=10154371802502147&set=a.241065272146.141462.710367146&type=3&theater

 

まずは、あの悲しい事件に遭ってしまったご家族と、目撃者の方のために心からお祈り申し上げます。

 

私はあの事件が発生した日の8時から8時半に、この写真を撮影しました。そう、事故のおよそ30分前です。

 

事故発生後、男児を捜索するヘリコプターが午前1時まで上空を飛んでいて、夜明けになると撤退したのを覚えています。

 

あのヘリコプターがワニに襲われた男の子を探していたと知って、夜眠れる人がいるのでしょうか?

 

「もし私たちがあの一家の近くで遊んでいたら、声をかけられたかもしれない」・・・私は一晩中、そう考えていました。

 

あの一家を責める声を、私は今までたくさん目にしました。

しかし息子のチャニングが遊んでいた時、私は「この場所にワニが出そうだ」なんてまったく感じませんでした。

 

あの小さなビーチはプールやウォータースライダーがあり、レストランに囲まれた場所。マシュマロをコンロで焼いている人もたくさんいました。

 

ワニがあんなに賑やかな場所に出るだなんて、普通は想像しないと思うのです。

 

「あの場所は誰が見ても安全な場所だった」と主張するジェニファーさん。確かに、いくらフロリダ州がワニの生息地でも、テーマパークであるディズニーランドに出没するだなんて普通は考えないはずです。

 

「母親のせいだ」と周囲が攻めたてるのは正しいことなのでしょうか?ジェニファーさんの投稿に、改めて考えさせられます。

 

まとめ

 夜中までうろついていたために、子供が被害に遭った事件では、親は何をやっているんだという厳しい批判がありました。

 

子供が夜遊びにいくのに、その親御さんは直接何も言えなかったそうです。でも、その親御さんもいきなりそうなったわけではなく、その親御さんが、親になっていくなかで孤立していくプロセスがあったわけです。

 

自分で選んで頑なに閉じた無責任な親になったかというと、けっしてそうとも言い切れない。

 

だから、具体的な場面で、そういうふうにしている「バッシングする側」も「バッシングされる側」も、枠組み(アウトライン)を少しづつ溶かしていくような働きかけをしていくしかないということでしょう。

 

 

 

 斉藤みちる プロフィール

社会活動家/「みんなの社会科」管理人

その傍らオラクルカードを中心とした占いもしております。ヒット記事『陸上自衛隊レンジャー訓練』。福祉力検定3級。

Twitter @tikyuuhattenn

みちる綱領

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コメント: 1
  • #1

    訪問者 (金曜日, 21 7月 2017 02:06)

    女性憎悪主義者たちは口実を探してアンテナはっている。
    いくらなんでも何もしてない女性は叩きづらいもの。
    それが「子供から目を離した」などの女性なら叩きやすい。本当に子供のことを考えている人はそんなことはせず建設的な思考をする。
    仕返しに父親を叩く女性も出てくるだろうし、差別は不幸しか作らない。