ペロンとエビータの演説1947(日本語訳)

斉藤みちる


ペロンとエビータ
ペロンこと、ファン・ペロン及びエビータこと、エヴァ・ペロンの演説の一部をピックアップした動画の日本語訳

▷ニコニコ動画

http://www.nicovideo.jp/watch/sm15597754

ファン・ペロンとエヴァ・ペロンの演説

youtube

https://www.youtube.com/watch?v=2yw6X-91S7s

1947 - Discursos Peron y Evita


フアン・ペロンとは

アルゼンチンの産業の発達、人口の増大はそれまでのカウディーリョによる独裁政治を支えていた地主層に替わって、中間層を成長させ、彼らは次第に民主政治の実現と、イギリスからの経済的独立を要求するようになりました。また、都市労働者も増加し、労働組合運動も活発になって行きます。

 

第二次世界大戦中の1943年、時の独裁政権の選挙不正に怒りが爆発し、軍部がクーデターを起こすと、その首謀者のひとりペロン大佐が労働福祉庁長官に就任して次々と労働者の権利を認める改革を行って急激に人気を上昇させることとなりました。特に労使協同型の全体主義的な労働政策の遂行で手腕を発揮しました。

 

ペロンは、(ドイツ、大日本帝国、イタリア、フィンランド、ハンガリー、ルーマニア、ブルガリア、タイなどソビエトを脅威と捉えていた国家で出来た)枢軸同盟側の支持者であり、大戦末期の44年に副大統領として事実上の最高実力者となると、合衆国の支持を得られず、そのことが軍事クーデターによる一時拘束の要因のひとつともなりました。

 

しかし親ペロン派の軍人たちや、ペロン支持を決議したCGTのゼネスト、そしてペロンの釈放を求めて五月広場に大挙した労働者達による後押しを受けて、後に2番目の妻になる元女優のエバ・ペロン(エビータ)が、人民にラジオでペロンの釈放を訴えたことなどによりクーデターは数日間で失敗し、釈放されました。

 

1946年、ペロンは大統領選挙に圧勝して1955年まで長期政権を維持しました。大統領就任後は、労働組合の保護や労働者の賃上げ、女性参政権の実現、イギリス系、アメリカ系などの外資系企業の国営化、貿易の国家統制などの政策を推し進め、労働者層から圧倒的な支持を受けますが、一方で独裁政権を敷き反対派は強制収容所に投獄しました。この政策から、世界から独裁者とも呼ばれましたが、アルゼンチンを豊かな国にした指導者、時には“救世主”とも呼ばれたのです。

 

死後30年以上経った現在でも、ペロンの支持基盤だった「ペロニスタ」はアルゼンチンで大きな影響力を持ちます。「ペロニスタ」を母体とした「正義党」(Partido Justicialista, 略称:PJ)通常「ペロン党」(Partido Peronista)は1989年以降、カルロス・メネム、ネストル・キルチネル、クリスティーナ・キルチネルと三代の大統領を誕生させ、議会内においても大きな勢力を保っています。

 

 

この動画は、1947年、アルゼンチン大統領ペロンの時代に行われた演説です。第二世界大戦終戦後、ヨーロッパ訪問から帰ってきた際、大勢の国民に迎えられ、国会議事堂のバルコニーからペロン夫妻が現れます。Justicialismo(正義の党)という党が新たにぺロニズム(ペロン氏の名前)という政治的思考になった瞬間でもあります。

 

 

ペロン 以前、我々は世界の資産主義国に虐げられ、アルゼンチン労働者の空腹を元に利益を吸い取られていた小さな国だった。以前、我々はさまよい歩く国だった。

しかし、今は違う!今、我々は共に向かう目標ある国だ。その目標は、祖国だ。国として、自由に進むことが出来る今は、Justicialismo(正義の党)に準ずる国、という新しい目標を世界に見せようではないか。

かつては、裏切られ、虐げられた国、不公平で古びたアルゼンチン。今は、自由で主権を勝ち取った国、公平な新しいアルゼンチンを一つとなった我々が起ち上げたことを誇りもって宣言することができるだろう。

 

エビータ ぺロニズムはただの政党ではない、教えられて覚える学科でもない。ぺロニズムは、心で理解し心で感じるものだ。故に、ぺロニズムは確信であり信念である。市民の中でその確信がないなら、我がぺロニズムには用なしだ。

なぜなら、ぺロニズムは、今までの祖国になかった希望を象った国民の信念になったからだ。

 

エビータ アルゼンチンが強い国、その国民が豊かならば、ぺロニズムは国民の権利のひとつにすぎないだろう。しかし、今のぺロニズムは、国民としての責任である。だから、私はぺロニズムに属している。愛国心のゆえに、国民として、個人としての確信により、我が民への共感と感謝する故に私はぺロニズムに属する。ぺロニズムを率いる我が将軍ペロン、信念を貫き通し実行へと導く彼の偉大さを称える。

 

エビータ これこそが真のぺロニズムの概念である。革命心に根付き、その第一の目標は祖国の豊かさ他にない。我が国の労働者の生活、様々な状況においても豊かであるように。

 

ペロン Justicialismo(正義の党)は、ただの政党ではなく、キリスト教に基づき、人情深く、飾り気のない純粋なライフスタイルへ導く新しい概念である。

政治的概念としては、国民一人ひとりの権利とコミュニティの権利を平等に考える。

経済的概念としては、社会全体の経済を考え、資産を重視するのではなく、社会全体が豊かになるために資産があると考える。

社会的概念としては、個人を正義のある平等な社会の一員として考える。

ぺロニズムにとって、日々働く者、労働者が真の人間である。

 

ペロン 昼も夜もなく汗を流し働き続ける諸君、この腕の中に強く抱き、心から君らを敬愛する。これからいつまでも。

 


 

 斉藤みちる プロフィール

社会活動家/「みんなの社会科」管理人

その傍らオラクルカードを中心とした占いもしております。ヒット記事『陸上自衛隊レンジャー訓練』。福祉力検定3級。

Twitter @tikyuuhattenn