不適切な養育環境で暮らした子供の抱える問題

斉藤みちる


ほったらかされる子供

 

子共は誰でも、守り育ててくれる大人がいることを当然のこととして生まれてきますが、残念ながら、子共たちすべてが、保護してくれる大人のまなざしの中で、安心感を育みながら成長するわけではありません。

 

強い不安とストレスに曝されてしまうような環境で育ち、発達の歪みとトラウマを抱えてしまう子共たちも少なくはないのが現状です。虐待などの、不適切な養育環境で暮らした子共の心身の発達に対する影響についての研究は、児童虐待が社会問題化していく時期と並行して進められてきましたが、脳科学の進歩とともに、脳の発達の阻害をも含む重篤な問題を引き起こしてしまうことが明らかになってきています。

 

それは、育ちにくい環境に適応しようとして、避けがたく被ってしまったものであり、心理・情緒の領域だけでなく、認知・知能、神経生物学・身体、社会・行動の領域などの多方面にわたり、ダメージを及ぼします。

 

不適切な養育環境から離れて安全な場を得られただけでは、ダメージから回復することができず、抱えてしまった心身の問題による不適応(二次障害)や、トラウマへの脆弱性のために、さらにトラウマ体験が積み重なることなどにより、適切な支援・治療がないと成人期における心身の健康や社会生活機能、そして、親となった時の、養育機能も損なわれるおそれもあるという悪循環に陥る可能性もあるのです。

 

不適切な養育環境で暮らした子共を適切にケアすることは、単に子共の心身の回復を図る観点だけでなく、成人期における精神疾患予防や次世代の虐待予防の観点からも、非常に重要なことです。

 

 

 

斉藤みちる プロフィール

社会活動家/「みんなの社会科」管理人

その傍らオラクルカードを中心とした占いもしております。ヒット記事『陸上自衛隊レンジャー訓練』。福祉力検定3級。

Twitter @tikyuuhattenn